日本では毎年冬になると「インフルエンザ」を必ず耳にしますよね。それはお隣の国、韓国でも全く同じです。インフルエンザの予防としてマスクや手洗い、うがい、予防接種を思い浮かべる人が多いと思いますが、それは韓国でも同じなのでしょうか。
そこで今回は、韓国在住の筆者が現地のインフルエンザ事情についてご紹介します。
韓国のインフルエンザ事情!現地在住者に聞く6つの豆知識!
1. 韓国語でインフルエンザはなんて言うの?
韓国語でインフルエンザは「독감(ドッカム)」または「인플루엔자(インプルエンジャ)」と言いますが、「독감」を使うことの方が一般的です。「독감」は漢字にすると「毒感」で、インフルエンザに限らずひどい風邪を引いた時にも用いることがあります。
また「インフルエンザにかかりました」は「독감에 걸렸어요(ドッカメ コリョッソヨ)」と言います。
2. 韓国でインフルエンザが流行する時期
日本では例年11月頃から流行が始まり1~3月頃にピークを迎えますが、韓国も地理的に日本と近く季節も似ているので、流行時期はほぼ似ています。
まず、日本でも言われるように韓国でもインフルエンザA型・B型の2種類があります。A型は12月から2月、B型は2月から4月までが流行時期と言われており、種類によって異なります。A型からB型を合わせると秋の終わりごろから春の初めまでが流行シーズンなので大変長く感じられます。特に2種類の流行時期が重なっている2月には毎年旧正月の連休があります。
韓国人の大部分が里帰りするために大移動すること、そして里帰り先での法事も重なり疲れやすく免疫力が落ちやすくなっていることから1年で一番インフルエンザにかかりやすい時期と言ってよいでしょう。
3. インフルエンザにかかった場合、会社や学校への影響は?
日本ではインフルエンザが大流行すると学級閉鎖の処置などが取られますが韓国では特に学級閉鎖に関する決まりはなく、基本的に閉鎖は行われません。
病院でインフルエンザの検査を受け陽性の判定が出た場合、そこから5日間欠席しなくてはなりません。5日経って医者からOKサインが出れば病院で「원치확인서(ウォンチファギンソ/完治確認書)」をもらい、それを登校時に学校へ提出します。また会社の場合も特に出勤規制等の規則がないらしく、インフルエンザをひどい風邪と捉えて会社に行こうとする人が結構いるようです。
しかしインフルエンザは伝染病なので本当は出勤してはいけません。病院にて「통원확인서(トゥウォンファギンソ/通院確認書)」をもらう時に「5日間隔離必要」と掲載してもらうように頼み、会社に提出するのが一番望ましい方法のようです。
4. 韓国のインフルエンザの予防接種と予防接種支援制度
日本でも同じく韓国でもインフルエンザの予防接種はあります。毎年10月になるとインフルエンザの予防接種が開始されます。
予防接種には2種類がありインフルエンザA型のワクチン2種類とB型のワクチン1種類が入った3価、インフルエンザA型・B型のワクチン各2種類が入った4価があります。値段はワクチンの数が多い4価の方が高く、だいたい1,000円ほど違います。
また生後6か月~満12歳までの子どもと満65歳以上のお年寄りは3価の予防接種を無料で受けられます。そしてインフルエンザの予防接種を生まれて初めて受ける赤ちゃんの場合はその期間内に2回接種することができます。
韓国ではインフルエンザの予防接種を小児科や内科に限らず耳鼻科や整形外科まで…!様々な科で予約なしに接種できるのが特徴です。また小児科では大人も子供と一緒に受けることができます。流行時期になるとワクチンがなくなって受けられないケースが多いので早めに接種すると良いでしょう。
5. インフルエンザの処方薬は日本と同じくタミフル
日本ではインフルエンザの処方薬として「タミフル」がおなじみですよね。韓国でもそれは同じでインフルエンザ検査で陽性の判定を受けたら「タミフル」が5日間分処方されます。そして温かいお水をよく飲むこと、学校や会社はもちろん家族ともできるだけ隔離するように指導されます。
しかし上記にも書いたようにインフルエンザを「風邪がひどくなっただけ」と思っている人が少なからずいるために無理して会社に行ったり、外出する人が結構いるようです。「インフルエンザ=隔離」という認識は昔と比べだいぶ広まってきましたがそれでもまた日本と比べて認識が薄いのが現状です。
6. インフルエンザにかかった際の食事は?
韓国ではご飯を食べることをとても重要視していて、それは病にかかった時も同じです。食べられるのであればできるだけ食べることが推奨されています。
しかしインフルエンザにかかった状態で通常と同じような食事はもちろんできません。風邪を引いた時と同様一番好まれるご飯は「お粥」で、中でも一番メジャーなお米のお粥が消化が良く、胃に負担をあまりかけないとしてよく食べられます。
その他、あわび粥や鶏肉のお粥、野菜粥がインフルエンザにかかった際食べると良いお粥として知られています。お粥とは反対にアイスなどの冷たい物、牛乳などの乳製品、果物は体を冷やすという理由で食べない方がいいと言われています。
まとめ
日本と地理的に近いだけあってインフルエンザの流行時期は似ていました。しかしそのインフルエンザの流行時期に「旧正月」という韓国の大イベントがあるため、さらにインフルエンザの流行に拍車がかかります。この時期はさらに注意しなくてはなりません。
予防接種が子供とお年寄りは無料で受けられるのは嬉しい制度ですよね。しかし予防接種を受けたとしてもインフルエンザにかかる可能性は0%ではありません。ただ予防接種を受けたのであれば症状は軽く済むんだそうです。
日本ではマスク、手洗い、うがいが徹底されていますが韓国は日本ほど衛生管理行き届いてなく人々の意識もそこまで高くないのが現状です。予防接種をしたからと安心することなく日常から手洗い、うがいをする習慣をつけることがまずは大事かもしれません。
インフルエンザにかかった際に重宝するお粥はスーパーやコンビニでもおいしい物がたくさん売られているのでとっても便利です。ぜひ旅行に来た際でにもチェックしてみてくださいね!
韓国のインフルエンザ事情!現地在住者に聞く6つの豆知識!
1. 韓国語でインフルエンザはなんて言うの?
2. 韓国でインフルエンザが流行する時期
3. インフルエンザにかかった場合、会社や学校への影響は?
4. 韓国のインフルエンザの予防接種と予防接種支援制度
5. インフルエンザの処方薬は日本と同じくタミフル
6. インフルエンザにかかった際の食事は?