国旗とは国を象徴する旗のこと。韓国の国旗のことを「太極旗(テグックキ)」と言います。日本にいると街中で日の丸を目にする機会は少ないと思いますが、韓国では太極旗をよく見かけます。それにしてもあの複雑なデザイン。筆者は韓国に住んでいたことがあるので目にする機会も多かったのですが、現地では太極旗についてどんな教育がされているのでしょうか。

そこで今回は、日本人の知らない韓国の国旗「太極旗」の秘密についてご紹介します。

韓国の国旗の深い意味！デザインに隠された7つの秘話！

1. 太極旗の意味は？

中央の丸い部分が「太極」と言われています。

赤→太陽の陽をあらわす
青→月や土などの陰をあらわす

全てのものが陽と陰からなることを象徴しています。太極を囲む４つの記号は「四卦」と言われ、それぞれ天、地、火、水を表しています。

2. 太極旗の歴史は？

太極旗が作られた経緯については様々な説があります。条約の調印式のために通訳官が作ったという説、遣日使節団の一人が船上で作ったという説など。1883年に高宗が正式に「太極・四卦」の旗を国旗として制定・公布しました。

3. 太極旗の勉強する？

深い意味と歴史のある太極旗ですが、韓国人はみなさん知っているのでしょうか？韓国では、歴史の授業中に太極旗の意味を習ったりするそうです。また、幼稚園や保育園では太極旗の塗り絵をすることもあるようです。韓国人の主人に勉強したことがあるかどうか聞いてみました。すると「小学生の頃に勉強したことがあると思うけど、記憶にない…」やはり勉強はするようですね。

4. 太極旗を描けるのか？

日本の日の丸に比べると本当に複雑なデザインの太極旗です。世界中の国旗と比べてもかなり難しいデザインになっています。太極旗を目にする機会が多かった筆者でさえも「どれが太極旗でしょうか？」なんていう３択クイズを出されても正解できる気がしません…では小さいころから太極旗を見てきている韓国人は太極旗を描くことができるのでしょうか？

韓国のサイト「ジョブコリア」が2016年に成人男女行ったアンケートによると、「太極旗を見ずに描ける」と答えた人が72％でした。同じように日本で成人男女「日の丸を描けますか？」と質問をしたらきっと描ける人は100％だと思います。しかし太極旗のあのデザインで72％は、さすが韓国人だと思います。

ちなみに主人は残りの28％でした。小学校で太極旗を描くテストをした記憶がある、と話していたのでその当時は描く練習をしたみたいです。

5. 太極旗を掲揚する日は決まっている

現在はほとんど見かけませんが日本には国民の祝日に国旗を掲げる、という文化がありました。それでは韓国ではいつ掲げるのでしょうか？

【国慶節・記念日】
3月1日: 三一節(サミルチョル)
7月17日: 制憲節(チェホンジョル)
8月15日: 光復節(クァンボッチョル)
10月1日: 国軍の日
10月3日: 開天節(ケチョンジョル)
10月9日: ハングルの日

【弔意の日<半旗>】
6月6日: 顕忠日(ヒョンチュンイル)
国葬の期間

日本の祝日の日数に比べると圧倒的に少ない韓国の国旗掲揚日。ですが、韓国旅行に行くと必ずと言っていいほど太極旗をみかけます。それはなぜなのでしょうか？大韓民国国旗法では以下の場所でも可能な限り掲揚することが求められています。

・空港、ホテルなど国際的な場所
・大型ビル、公園、競技場など人の出入りが多い場所

観光客が目にする機会が多いのも納得です。みなさんは韓国ドラマを見ていて太極旗を見たことはありませんか？筆者がドラマも見るたびいつも気になっていたのは高校の教室に掲げてある太極旗です。黒板の上にドン！とある太極旗に違和感を感じるのは私だけではないのでしょうか。日本の高校だったらあそこは時計の場所です。国旗は愛国心の象徴とも言われていますが、教室の太極旗を見ながら韓国の高校生は愛国心を強めているのかもしれません。

6. 太極旗の上下左右は決まっている

日本の日の丸は左右は多少違うこともあるようですが、上下はありません。縦向きに掲げても横向きに掲げてもその向きを気にすることはないでしょう。しかし、太極旗は上下左右が対象ではないので掲揚方法を「大韓民国国旗法」で細かく示しています。掲揚する場合は横の場合、陰陽の陰(青い部分)を下に、縦に掲揚する場合は陰陽の陰が左に来るように合わせるのが基本です。

7. 国旗掲揚中の正しいポーズ

スポーツの試合で、韓国人選手が国旗を揚げている最中胸元に手を当てている様子をみたことはありませんか？実はこの国旗掲揚中のポーズ、法律で決められているんです！驚きですよね。大韓民国国旗法には「制服を着ていない国民は、国旗にむかって右手を伸ばして左胸に当て、国旗に注目する」とあります。ちなみに制服を着ている国民とは、軍人や警察官などを指します。

2014年サッカーの国際試合で韓国人選手が国旗掲揚中、胸元に当てる手が左右逆だったと大きな注目を浴びることになりました。韓国人にとって国旗とはそれほど意味のあるものなんでしょうね。それ以降、サッカーなど団体競技では国旗掲揚・国家斉唱中は肩を組むことになったそうです。